生花アレンジメントを美しく生けるためには?
日比谷花壇専属フラワーデザイナー来本さんより教えて頂いた内容を参考に花瓶に花を美しく生けるポイントをまとめてみました。
日比谷花壇では現在、送料無料&市場直送にて季節の花を配達する定期便を展開しています。
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はじめに(準備)
いきなり花瓶に花を生け始めたいとことですがその前に完成したアレンジメント設計ならぬイメージを考えることが大切です。
1.全体のイメージを考える。
出来上がりの花瓶と花のバランス(比率)を決めます。
バランス(比率)とは”花瓶の高さ”に対して花瓶に生ける”花材の高さ”をどの程度にするかということ。
一般的に用いられる高さの比率(黄金比)は以下のとおりです。
●花瓶:花材=1:1
●花瓶:花材=3:2
2.主役の花を決める。
次に主役となる花を決めます。
主役候補の選び方(手がかり)は以下のとおり。
●大輪で目立つ花
●高価、希少な花
●全体のテーマにあった花
●思い入れがある花
●3輪以上存在する花※
※主役となる花3輪を使って二等辺三角形を構成、アレンジメント中心に持ってくることで主役として際立たせることが出来ます。
3.花瓶に水を張る。
花瓶の1/2~2/3程度まで水と長持ち剤を入れます。
私しかり素人の場合、とかく花瓶の淵(マックス)まで水を入れたくなるものですが切り口が水に浸かっていれば吸水させることが出来ます。
花瓶に入った水もアレンジメントを構成する一つの要素と考えると(特にガラス器の場合など)必要最低限の水を花瓶に入れることで空間が生まれ全体がすっきりします。
実践
いよいよ実践です。
以下の手順で花材を生けていきます。
- 葉物、枝物を生ける。
- 主役の花を生ける。
- 小さな花材(脇役)を加える。
- 全体バランスを整える。
1.葉物、枝物を生ける。
花瓶に水を入れたらまずは葉物を花瓶に対して斜めに立てかけるように生けています。
写真:葉物(ベビーハンズ)を生けた様子。
次に枝物を生けてアレンジメント全体のバランスを取っていきます。
アレンジメントを美しく仕上げるコツは花瓶に対し花材を斜めに、花瓶の淵に持たれかけさせるように差していくこと。
ひとつひとつの花材を前後左右、交互に差すことでアレンジメントに広がりが出て安定します。
最後に葉っぱの向きが表になっていることを確認しましょう。
写真:花材の茎同士を交互に生けた例です。直線的ではなく立体的なアレンジメントを作ることが出来ています。
2.主役の花を生ける。
主役となる花は中央にまとめて仲良さそうに生けます。
3輪の花を使って二等辺三角形を作るように生けると見栄えが良くなります。
花と花が重ならないように、花同士が花瓶の中で斜めに交差するように活けていきます。
写真:バラを主役にしたアレンジメント例。3輪のバラの花で二等辺三角形を形成しています。
3.小さな花材(脇役)を加える
脇役となる小さな花材を加えて全体バランスを整えていきます。
やはり重ならないようにバランスを見ながら斜めに差していきます。
フジバカマ ススキ
写真:アレンジメント脇役となる小さな花材例。
フジバカマやススキは単独では地味な存在ですが主役となる花に加えることで名わき役としてアレンジメント全体を演出します。
4.全体バランスを整える。
全ての花材を花瓶に生けることが出来たら全体バランスを見ながら花材の位置や向きを最終チェック、調整してアレンジメントを完成させます。
最終チェックポイントは以下のとおりです。
●花同士が重なっていないこと。
●花や葉の向きが表を向いていること。
●花材が直線的になっていないこと。
●前からだけでなく横、後ろから見ても美しいこと。
●花材同士が安定して動かないこと。
●葉が水に浸かっていないこと。
●花瓶:花材バランスが最初に想定通りであること。
●花瓶を置いた時にグラグラしないこと。
写真:秋、お月見をテーマとした生けた生花アレンジメント完成例です。
月の黄色をイメージさせるバラ(キャメルアンティ)を主役に添えています。
葉物(ベビーハンズ)を花瓶の淵に斜めに掛けることで落ち着いたアレンジメントになりました。
前出アレンジメントを反対側から見た様子です。
後ろ側からみても花材の向きは裏向きではないか、美しく生けられているかチェックします。
まとめ
花瓶に花を美しく生けるポイントについて、まとめると以下の通りです。
- 花材を斜めに生けると安定して広がりがでる。
- 枝物は十文字に切れ目を入れて吸水しやすくする。
- アレンジメントには主役と脇役が必要。
- 器と花のバランスを考えて生ける。
素人のやりがちなことのひとつに花瓶に花を立てるように生けてしまうことなのだとか。
花瓶に対して花材が直線的になると広がりがなく面白みのないアレンジメントになります。
写真:直線的に花材を立てて生けてしまった例。花材同士が密で窮屈そうです。
写真:「花瓶:花材」のバランスを「1:1」に仕上げています。
花材同士が交互&斜め生けることが出来ていれば(※手描き白線イメージ参照)花材同士が安定します。
花を長持ちさせるポイント
最後に、出来上がったアレンジメントをできるだけ長く美しく保つためのコツを以下にまとめました。
●余計な葉は取り除く。
水に葉が浸かると水質劣化を早めてしまうため水に浸かりそうな葉は取り除きます。
●長持ち剤(活性剤)を使う。
水に長持ち剤(活性剤)加えることでアレンジメントを長持ちさせることが出来ます。
特にアレンジメントを製作した当日はできるだけ美しい姿を長く愛でたいモノ、初日はケチらず長持ち剤(活性剤)を投入しましょう♪
●水を交換する。
1日1回※水を交換することで水質劣化を防ぎます。
※長持ち剤(活性剤)を入れた場合は季節によって異なるも数日間は水を交換せずに持たせることができます。
ところで水を交換した時の事、花瓶よりまとめて花材を取り出し無造作に置いたしまった時の事。
一番下にあったバラの花がつぶれて台無しになってしまった!という苦い危険があります。
水を交換する際、花材の扱いは注意してくださいね♪
●切り戻しを行う。
最初に生ける時はもちろん、水を交換するタイミングで花材の切り戻しを行う事で吸い上げを保たせます。
生花を長持ちさせる切り方 枝物の切り戻し
写真上:花は水の中で斜めにカットします。
写真下:吸い上げが悪い枝物は十文字に切れ目を入れることで吸水をアップさせます。
その他、菊やリシアンサス(トルコ桔梗)などは手で折った方が吸水すると言われいます。
写真:約一日半、経過した花材(ケイトウ)の茎の様子です。
切り口より痛みが出た部分を切り戻すことで吸水をよくします。
●涼しい場所に置く。
気温30℃を超える夏日など花瓶の中の水が温くなっていることがあるので要注意!
出来上がったアレンジメントは自宅の中で直射日光が直接当たらない、涼しい場所に置きます。
参考:日比谷花壇
当記事は日比谷花壇主催オンラインレッスン(講師:来本さん)で教えて頂いた内容を元に編集しています。
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